
春の訪れとともに、和菓子店の店頭を彩る「桜餅」。
鮮やかできれいな桜色と華やかな香りで、春の季節には欠かせないお菓子ですよね。
そんな桜餅ですが、実は全国共通のものではなく、「関西風桜餅」と「関東風桜餅」の2つの種類があることをご存じですか?
今回の記事では、そんな関東と関西で桜餅が違う理由とそれぞれの桜餅の見た目や特徴についてご紹介します。
ついでに、餅を包んだ葉っぱをどうするかという点も一緒にさぐっていきましょう。
桜餅が関東と関西で違う理由
関東ではクレープ状の生地であんこをくるんだ「長命寺」、関西ではもちもちの生地であんこを包んだ「道明寺」がそれぞれ桜餅として認識されています。
では、なぜ関東風と関西風、2種類の桜餅が生まれたのでしょうか。
その理由はそれぞれの発祥にあるといわれています。
- 桜餅の発祥は東京都墨田区の長命寺といわれている。
- 江戸時代中期の享保2年(1717)、長命寺の門番をしていた山本新六が塩漬けの桜の葉を使った餅を考案した。
- 長命寺の門前で売り始めた桜餅は、たちまち評判となり江戸の名物となった。
- 天保年間(1830~1844)のころ、北堀江の土佐屋という店が売りはじめ,好評を得たという。
- 元々、京では古くから椿葉で挟む「椿餅」が主流だったが、江戸の名物である桜餅「長命寺」にならって桜の葉を巻くようになった。
こうした発祥のちがいによって、同じ「桜餅」なのに東西で違いが見られるようになったのです。
関東の桜餅「長命寺」の見た目や特徴
「長命寺」と呼ばれる関西の桜餅はクレープのような見た目をしています。
- 皮の主な材料は「小麦粉」
- 形は筒形、皮は平らにする
- 餡は「こしあん」
- 桜の葉は1~3枚(店によって異なる)
関西の桜餅「道明寺」の見た目や特徴
「道明寺」と呼ばれる関西の桜餅は、米の食感が残るつぶつぶとした食感が特徴的で、見た目はおはぎにも似ています。
- 皮の材料は「もち米」
- 形はまるい、または扁平(へんぺい)。皮には粒がある
- 餡は「つぶあん」
- 桜の葉は1枚か2枚
桜餅の葉っぱを食べるかどうかは自由!
そもそも桜の葉は食べられるのか?という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
桜の葉は食べても問題ありません。ご自身のお好みで決めてください。
葉をつけたまま食べると甘みと塩味の絶妙なバランスを楽しむことができます。
一方、はがして食べると桜の香りはほのかになるものの、葉の独特な食感を感じない優しい舌触りと、桜餅そのものの味わいを満喫できますよ。
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