
廃線の危機に直面した銚子電鉄を救った「奇跡のぬれ煎餅」をご存知ですか?
なんとなく聞いた事があっても、そこにどんなドラマがあったかまでは知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、銚子電鉄が危機的な経営状況となった原因と、廃線の危機を救ったこころ温まる「ぬれ煎餅」の物語をご紹介します。
また、この記事では銚子電鉄が現在行っているイベントの情報や、米津玄師さんのミュージックビデオが撮影された車両についても知る事が出来ますよ。
ぜひ最後までご覧くださいね。
銚子電鉄の経営状況について|年々悪化している
銚子電鉄は、千葉県銚子市内の銚子駅~外川駅を結ぶ小さなローカル鉄道です。
線路長は僅か6.4kmと短く、始発駅から終着駅までの所要時間は約20分。
しかし歴史は古く、2023年には創業100周年を迎えます。
そんな銚子電鉄は、沿線人口の減少・観光客の減少により経営状況が年々悪化し、これまで幾度となく廃線の危機に直面して来ました。
公的助成・補助を受けながらなんとか乗り越えてきたものの、2006年に当時の社長による横領が発覚。その額は1億円を超え、行政からの補助金は打ち切りとなりました。
時を同じくして国土交通省の監査が入り、老朽化した設備の改善・修理が命じられ、その費用は総額5000万円。
更に追い打ちをかけるように車両の法定検査(自動車の車検のようなもの)の期日が迫り、その費用は総額1000万円。
それは、月間運賃収入900万円という経営状況で確保出来る金額ではありませんでした。
ぬれ煎餅で起死回生!銚子電鉄の経営戦略
銀行からの追加融資も元社長の横領問題で望めず廃線の危機が迫る中、やれることはもう数年前に始めた副業の「ぬれ煎餅」を売る事だけだったと言います。
必死に売り歩くもぬれ煎餅は思うように売れず、もうダメかと思われた時です。
ぬれ煎餅を買って下さい!!
電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。
公式ホームページに載せた「ぬれ煎餅を買って下さい」という告知が、巨大掲示板2ちゃんねるで話題になりました。
そこから個人のブログやテレビにも取り上げられ、銚子電鉄を応援しようとぬれ煎餅を注文する人が次々と現れたのです。
こうして銚子電鉄は、ぬれ煎餅が起こした奇跡により「老朽化施設の改修」「車両の法定検査」の費用を賄うことができ、廃線の危機を脱しました。
銚子電鉄が行っているイベント情報
ぬれ煎餅で廃線の危機を一時脱したものの、新型コロナの影響もあり銚子電鉄の経営状況は未だに厳しいまま。
そこで銚子電鉄は、集客のため様々なイベントを開催しています。ここではその一部をご紹介します。
きゃりーぱみゅぱみゅ LOCAL POWER JAPAN project
銚子電鉄では、2022年4月29日より「問題だらけの“もんだいがある”きゃりー電車」が運行中です。
車内には、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲「もんだいガール」の世界観を表現したピンク・イエロー・ブルーのバルーン装飾が施されています。
車内広告には銚子電鉄、銚子市、きゃりーぱみゅぱみゅの「問題がある」告白ネタも掲載。
米津玄師のMV撮影が行われた「大正ロマン電車」
米津玄師さんの楽曲「カムパネルラ」のミュージックビデオが銚子電鉄で撮影されました。
現在、撮影に使用された「大正ロマン電車」が運行中です。
木目調の床、木製のつり革、真鍮の手すり、ステンドグラスをイメージした窓など、大正ロマン薫るレトロな内装は一見の価値あり。
ただ、残念ながら運行は不定期なので出会えるかは運次第です。
食品・グッズ販売
銚子電鉄は、ぬれ煎餅以外にも様々な食品・グッズを販売しています。
- まずい棒(経営状況が“まずい”ので)
- 鯖威張るカレー(経営が“サバイバル”なので)
- お先真っ暗セット(サングラスを中心としたグッズのセット)
など、中には自虐的な名前の商品も。
これらの商品は、公式サイトのオンラインショップからも購入できるので、興味がある方は是非アクセスしてみて下さいね。